手術後の治療方法
手術で切除した組織を詳しく調べることを病理検査といい、その検査でがん細胞の特徴(拡がり方・顔つき)が分かり次第、医師とともに患者さんはもちろんご家族の方を含め、相談したうえで決定していきます。
1.放射線療法
手術の際、十分に残すことなくがん細胞を取ったつもりでも、目に見えない小さながん細胞が残っている可能性があります。そのため放射線を当ててがん細胞をたたき、再発を防ぐために行う治療法です。主に乳房温存術を行って残った乳房、わきのリンパ節転移の多かった部分、皮膚転移のあった部分などに当てます。
1日1回10分程度を5~6週間通院します。局所治療のため、ほとんど有害反応はありませんが放射線が当たった皮膚が炎症を起こしたりします。また「放射線宿酔」といって、食欲低下や疲れやすかったりすることもあります。
2.化学療法
乳がんの再発のリスクと、その他の因子を元にいくつかの薬剤を組み合わせて、「がんの芽」を摘み再発の可能性を下げるために行う治療法です。
薬剤の種類や個人差もありますが、約6ヶ月間行い通院も可能です。また副作用もさまざまで多いのは、吐き気や嘔吐、白血球の減少、便秘や下痢、無月経そして脱毛などあります。
最近では、乳房温存を希望するために術前化学療法も増えています。
【術前化学療法とは?】
手術前にある程度進行した乳がんに対して、抗がん剤を使う治療法です。この治療の最大の利点は、しこりを小さくし、乳房温存術の可能性を大きくすることができます。また、薬剤に対する感受性(薬が効くかどうか)を知ることができ、術後の治療に役立ちます。しかし効果には個人差があり、すべての人が温存術を受けられるというわけではないので、医師と相談しながら行いましょう。
3.ホルモン療法
乳がんのように、女性ホルモンががん細胞を増殖させる援軍となっている場合もあるため、この女性ホルモンの働きを抑える治療法です。基本的に5年間、続けます。
副作用はほとんどありませんが、更年期障害に似た症状が出たりします。
・抗エストロゲン剤・・・・・乳がん細胞に到着したエストロゲンの働きを阻害する。
・LH-RHアゴニスト製剤・・・卵巣におけるエストロゲンの生合成を促す脳下垂体のホルモンの働きを抑え、エストロゲンの分泌を低下させる。
・アロマターゼ阻害剤・・・・脂肪組織などのエストロゲンの生合成を阻害する。
・プロゲステロン製剤・・・・他の薬が効かない時、使用する。
